NullPointerException

雑記
「ピアノマン - 沈黙する謎の天才ピアニスト 英 」



【BBC/etc】先月はじめ、英国の海岸で正体不明の天才ピアニスト(写真)が保護されたとして話題になっているとのこと。事の発端は先月7日、びしょ濡れのスーツにネクタイという姿で英国の海岸を彷徨い歩いていた20?30代の男が保護されたことにはじまる。保護した社会福祉士のマイケル・キャンプ氏は男性から名前や身元などを聞き出そうとしたが、男は一言も喋ろうとしなかった。そこでキャンプ氏はとりあえず男を病院に連れ、筆談しようと紙とペンを渡したところ、男は何も言わず、ただ黙ってピアノの絵をそこに描いたという(写真下)。

そして病院のスタッフらが男を病院のチャペルへ連れて行くと、それまで挙動不審だった男はそこであたかも"息を吹き返すようにして"、ものすごい勢いでピアノを弾き出したのである。

天才


「チャペルにあるピアノのところへ連れて行ったんですが、まさに驚異でした。本当に素晴らしい演奏で、それから数時間に渡ってただただピアノ引き続けたんです。彼はこれまでの一ヶ月、何ひとつ喋っていませんが、今では、こちらの問いかけに小さく頷いてくれるので何とかコミュニケーションをとることが出来ています。」

その後、この男の話は地元メディアなどで"ピアノ・マン"として報じられて話題を呼んだ。またキャンプ氏はヨーロッパ中のオーケストラ楽団に連絡し、英国行方不明者ヘルプラインなどに男の情報を掲示したところ、膨大な反響を呼び、これまでにいくつかの有力な手がかりを得たという。

「私はフォローしている時間がないので分かりませんが、一件、非常に有力な情報がありました。(連絡主の)名前から察するにサセックス地方の人なのではないかと思います。それから、これまでにも地元エリアからも比較的有力な情報があったんですが、いずれにせよ会ってみるまでは分かりません。」

キャンプ氏はそれらの連絡に対応を続けながら、今後は男が東欧出身者である可能性も考慮し、通訳者を呼んでさらなる調査を行う予定であるとしている。

また現在、男はケント北部の精神病棟に収容され、今後身元が明らかになるまではそこで治療を受ける予定である。キャンプ氏によれば、男性は何かひどいトラウマを負っているか、いずれにせよ何かにひどく傷ついている可能性が高い、と話している。

怯え


「彼は一言も喋ろうとしません。何かにとても怯えているようです。」ピアノマンを診察した医師、カレン・ドリーレスはそう語っている。

カレン医師によれば、男は保護された当時、びしょびしょに塗れた黒いスーツにネクタイをしていたものの、衣服からは全てのブランドラベルが取り除かれていたという。また男が演奏している音楽がクラシックの中の一体いかなる種類のものなのか、彼女は判断しかねた、と話している。

「彼の音楽を理解出来るほどの人は我々の中にいませんでした。ただクラシックの一種だということ、そして彼が非常に技巧的に優れていることだけは分かりました。」

またこの事件は、1966年、アカデミー賞を受賞した映画「シャイン」を彷彿とさせるものである。映画では、実在する神経衰弱を患う天才ピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴットの人生が描かれている。