
【about.com】「ロシア正教会内の椅子に少女(16)が、母親に押さえつけられるようにして腰掛けている。上方のステンドグラスから除く光は、さながら聖なる光を彼女に降り注ぐようにして、張り詰めた緊張感を周囲に与える。そして神父は彼女の前に立ちはだかり、いよいよ悪魔祓いの儀式を始めた。すると少女は母親の腕の中でもがきだし、まるで神父の言葉が彼女の魂を拷問するかのように、少女はうなり声を上げ始めた。やがて少女は激しく暴れだし、その声はもはや人間のものではなく、地の底から来るような叫び声に変わった。そして少女は神父を激しく罵倒し、まるで少女のものではない声で、神父に呪いの言葉を吐き続けた。」(写真は映画エクシストより)
このまるで映画の一幕のような悪魔祓いの記録は、昨年5月1日、ロシアにて行われたエクソシズム(悪魔祓い)の一部である。そしてこの程、その際に録音された声が公開されたという。
※録音された声(WMA/要WindowsMediaPlayer):(2分経過したあたりから激しくなります。苦手な方は注意。)
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このテープを録音した、ロシア正教会の悪魔祓いアシスタント、ユージーン・サフロノフ氏によれば、氏は録音した際の悪魔祓いには直接関与していないため、少女についての詳しい情報は不明であるとしながら、悪魔祓い自体はバシル神父なる人物によって行われたと話している。儀式は三十分ほど続いたのち、悪魔祓いには失敗し、その後家族がどうしたのかは定かではないという。
また今回、録音された声の少女が一体如何なる理由によって悪霊にとり憑かれたのかは理由は明らかではない。ユージーン氏はその後母親や少女らと話す機会を得ず、詳細は不明であるとしながらも、おそらく何らかオカルト儀式を行って悪霊に憑かれたか(あるいはそう錯覚しているか)、何らかサイキック・ヒーラーの言葉などに悪影響を受けたのではないかと推測している。
氏によれば、現在でもロシア正教会の様々な教区において、こうした悪魔祓いが行われているという。またこうした悪魔祓いを行う"解放省"は、比較的最近作られたものであり、聖職者のみならず、精神科医や他の医師らも協力し、事態の解決に当たっているという。
現代のエクソシズム
こうした悪魔憑き、そして悪魔祓いのような儀式が未だに行われているのは、現在にあって、いささか時代錯誤のようにも思える。例えば中世において見られたこうした悪魔憑きの現象の数々は現在においては、何らかの脳障害として説明可能なものが多いことも事実である。
それは例えばトゥレット症候群(ジル・ド・ラ・トゥーレット症候群)や、精神分裂病(Schizophrenia)、癲癇などによって説明される。また控えめにみても、それらが何らかの儀式や迷信からきた何らかのネガティブな影響下における精神活動の一種であったと見ることは可能だと言えるのである。
しかし現代においても、こうした悪魔祓いといった儀式は続き、例えば昨年にはヴァチカン大学は正式に悪魔祓い=エクソシズムの専門家養成コースを開設している。またその背景としては、ここ最近イタリアにて急増する悪魔憑き、もしくはそうした現象に対応するためのエクソシスト不足が原因であるという。また教会関係者によれば、その不足はアメリカにおいては更に深刻なものであるとしている。
また関係した逸話として、今年3月1日には1949年米ミズーリ州のセントルイスの悪魔憑き事件(映画「エクソシスト」のモデルとなった有名な事件)にエクソシストとして関わった最後のイエズス会修道士ウォルター・H・ハロラン神父(写真)が逝去している(死因は癌、享年83歳)。ハロラン氏は以前、取材に答えるなかで、事件時、実際に悪魔祓いをされている少女の皮膚に突然「HELL」という文字が浮かび上がるのを目撃した、とその時の様子を語っている。