NullPointerException

雑記
「指一本で人を葬る - 秘孔は存在するか」


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【Straightdope】秘孔という言葉を聞いたことがあるだろうか。秘孔とは突かれた者を即座に死に至らしめる人体のツボ(経穴)の一種である。この「秘孔」は現在ではほとんどその存在自体が神話化しており、たとえ闘いを生業とする格闘家でさえも、その存在を真剣に信じているものは決して多くはないだろう。一部の熱狂的なブルース・リーファンの間では彼が暗殺者に秘孔をつかれて殺されたと信じる者もいるが、実際にはおそらく鎮痛剤のアレルギーで死亡したと言われている。しかし先日、格闘家の集うある掲示板にこのような書き込みがなされていた。「、、、ああ、一発だ。それもたった一点さ。俺がその男を突いてやったら、そいつは爆発した。ほとんどビデオゲームみたいな世界だったよ、、、」。もちろん、この話の真偽は定かではない。しかしこうした話が秘孔を扱う漫画や映画の影響を受けた単なる冗談であるとしても、こうした逸話が生まれた背景には、実際に、人間の身体のどこか、ある一点を正確に突くだけで臓物を爆発させるような究極的な秘孔が存在しているのではないだろうか?

あなたは当然疑うだろう。しかし医学文献をくまなく調査した結果、そこにはいくつかの不可解な - あるいはそれは秘孔の存在によってのみ説明されうる - 突発的な死、といったものが確かに存在しているのである。秘孔、あるいは死の接触、それは本当に存在するのか?


闇の鍼術

death_touch3.jpg古来より中国には点穴、日本には急所術といったものが存在している。こうした武術は人体のある一点を正確に突くことで、最小の力で最大の効果 - この場合においては死 - を生み出すものである。こうした、秘術は人体の経線(刺鍼術において,異なる解剖上の部位をつなぐ線)に流れる気の流れを妨げ、あるいは放出させ、人体をたくみに操る、あたかも闇の鍼術と言えるだろう。

だがもちろん、これまで秘孔を突かれた為に死亡したなどといった記録は、少なくとも医学文献には残されていない。しかし、そこにはいくつかの不可解な事件が存在していることはまた事実である。それら事故の被害者は非常にわずかな打撃によって、重態に至ったもの、あるいは死亡したものさえもいるのだ。

こうした秘孔の存在と関係していると思われるケースは以下のようなものが挙げられる。


心臓震盪

この心臓震盪は胸部に対するほんの軽い衝撃によって、突然心臓が痙攣状態に陥り、短時間(大抵の場合は1分から2分程度)で死に至るというものである。この症状で死亡した典型例としては、野球やホッケーなどをしていた少年が胸や腰にボールやホッケーパックなどが軽く当たることによって死亡するといったケースが発生している。またこれは決して子供だけに起こるというわけではなく、あるケースでは44歳の教師がケンカする子供達を止めようとした際に生徒の肘が軽く胸部に当たり、その直後に死亡したといった記録も存在している。

この心臓震盪による死は、わずかな衝撃が引き金となって心室細動(心臓の筋肉が痙攣を起こすこと)が発生し、心臓が血液を送り出すことができない状態になるために起こると言われている。この症状を研究したある論文によれば、症例128つのうち、その84%が死亡し、生存したものはいずれも痙攣後、直ちに細動除去手当てを受けたものであると報告している。また医師の調べではこの症状が発生する為に必要な力は、たった30mph程度で動く物体が衝突した場合であると積算している。


頸動脈への衝撃

頸動脈とは首の側部に存在する脳に血液を送る重要な血管のひとつである。この頸動脈への衝撃もしばしば致命的な事故へと繋がっていることは周知の通りである。特に頸動脈洞と呼ばれる動脈が二つに枝分かれする部位に対する衝撃は特に危険であると言われている。この部位への衝撃は脳や神経への衝撃につながり、被害者は部分的な麻痺や脳卒中に襲われたのち、死亡するといったケースが発生しているのである。特に格闘技の世界ではこの部位への攻撃を行なうことが多いのはそうした理由からであると推測出来るだろう。


その他の不可解な死

またそれ以外にも13歳の少女がジャングルジムから転落し、棒で頭を打って死亡したといったケースもあるが、こうした頭部への衝撃による死亡事故は身の回りでもしばしば見られるものである。またこの少女を検死した医師によれば、頭部への外傷は見つけられず、死因として網状組織を経由した振動による衝撃死であると結論している。また秘孔術についてまとめた「Death Touch」の著者であるマイケル・ケリー氏によれば、このケースでは衝撃が少女のある頭蓋骨の一点、それは秘孔術における最も危険なポイントを落下の際に偶然ついてしまったことが致命的であったと記している。


秘孔は存在するか

しかしまた、こういった医学的記録は人体における急所や秘孔の存在を示唆しているとはいえ、それらの引き金となったのはあくまでも偶発的なアクシデントである。しかしあるいは、世界には確かにこういった秘孔を的確に突き、相手を死に至らしめる技術を持った秘孔の達人が存在するのだろうか。

death_touch2.jpgおそらくその答えを知るものは少ないだろう。しかし、1999年、あるスポーツ医学の雑誌に掲載された記事には以下のような出来事が記されている。それは急所術のマスターであるC.テリーという人物らがボランティアとして参加した被験者12人の右腕や右肘、あるいは背中などのあるポイントを連続して刺激することで、彼らをいとも簡単にダウンさせてしまったのである。その際、ダウンした被験者らは凡そ11秒から55秒間に渡って「無反応な状態」に陥ったと記録されている。しかしまた不思議なことに、被験者らに接続された脳波測定などの検査機器からは、脳への血圧低下やその他の明らかな生理的影響は一切計測することができなかったとされている。

そして記事は以下のように締めくくられているのである。

「こうした現象におけるメカニズムはまだ謎が多く存在していることは事実である。気や経線といったものが存在するかどうかは別として、実際そこには何か、我々の知らないものが確かに存在しているのではないだろうか。」