【WorldNetDaily】この度、国連が新たに製作した地雷反対運動を促進する公共広告キャンペーンに対し、批判が集中しているとのこと。「キックオフ」と名づけられた今回の作品では、白人の少女によるサッカーの試合中、ゴールを決めて大喜びする少女の足元で突然地雷が大爆発、地雷を踏んだ少女は死亡、周囲の少女も怪我を負い、試合を見ていた父兄らは悲鳴をあげ、死亡した少女の父親が亡骸を胸に抱いて叫ぶという殺伐とした物語が展開されている。そして最後は「もし地雷がそこかしこにあったら、あなたはそれに耐えられますか?国連を支援してください」というコピーによって締めくくられている。
しかし今回製作されたビデオはこれまでCNN等の大手をはじめとし、これまでいかなるテレビ局もビデオに対して広告枠を提供することを拒否しているという。
「どのテレビ局も嫌がってるようです。この作品が扱っているのは非常に大きな問題です。だからいい機会だと思って、人目につくような作品に仕上げたんですがね。」
国連の地雷撤去委員会の依頼を受け、ビデオを製作したブルックリン・ブラザーズ(米ニューヨーク)のクリエイティブ・ディレクター、ガイ・バーネット氏は語った。
ABC局傘下にあるサンフランシスコのKGO-TV局長ヴァラリ・スターブさんは、既にこのビデオを視聴したが、現在までこのビデオを放送するための依頼は受けてないという。そしてまた今後ビデオを放送する予定があるか、との問いに対しては、内容からして難しい、と答えている。
「子供たちを怖がらせてしまうかもしれないと思いました。こういうテロの危険というのは10年前と違って、今の子供たちが日常的に感じているものです。」
そしてまた、今回の作品においては放送されないという問題だけでなく、作品に対する非難も浴びているという。「いくつかのサッカーチームから強い非難を浴びました。作品に出演していた少女らのうち、2、3人はプロの子役ですが、それ以外は実際にニューヨークで活動している子供サッカーチームの少女たちです。」
そしてまた作品で用いられた爆発に対しても批判が行われたが、バーネット氏は「作品で使われたのは単に煙と土を巻き上げただけで、実際に爆発物を使ったわけではありません。撮影において誰かが怪我をしたということもありません」と説明している。
また今回の作品を宣伝する国連の公共広告部門ウェブサイトには、そのコンセプトを「おそらく、あなたの家の裏庭に地雷はないでしょう。しかし世界の至るところで、今なおそういう事が実際に起こっています。国連は現在、さまざまな国で地雷の脅威を終わらせるための活動を行っています。あなたも寄付によって、地雷撤去に参加することができるんです。」と説明している。
またこれらの映像は現在、既にいくつかのインターネット上の掲示板等にも宣伝されたが、その内容に対し、次のようなコメントが寄せられている。
「不幸なことに、我々の今いる世界はこうした強いメッセージが必要とされている。なぜなら今日、多くの人々は他人の不幸に対して余りにも無関心で無知であるからだ。」
「国連は、他のどの国よりも多くのお金を寄付し続けている我々アメリカ人を、更に悪い気分にさせたいのだろうか?なに、驚くことではない。我々を弱いものいじめだと呼びたいのだろう。しかしあなた方を真に弱いものいじめしているのは、国連に他ならない。」
「このビデオには鬱屈した攻撃性が噴出している。こうした国連の作品を見るたび、私の中の暴力性は刺激されている。彼らは我々を動揺させるのが好きなんだろう。」
そしてまたこうしたテレビ局の冷たい処置にも関わらず、バーネット氏はこの作品を今後も変更するつもりはないという。
「テレビ放送以外にもいくつも方法はありますし、そもそも彼らに作品をあわせる義理はありません。おそらく我々は今後、この映像をMSN.comのようなウェブサイトを使って放送していくことができると思っています。」